読んで痛快なのが最大の理由ですが、相手をやり込めても皮肉を言っても、なんか視線があったかい……のが次の理由かも。
あと、地上の楽園という宣伝に踊らされて帰国した親戚を持つ在日の人の話とかも出てきますが、哀しいんですよ。
手紙も検閲されるから事実を書けず、遠まわしな謎かけで「お前達は来るな、戻るんじゃない」と伝えたとか。
親族を人質に取られた形で北に協力を求められるとか。
それが実は日本人の拉致活動だったと知って、死ぬまで後悔し続けたとか。
それと、朝〇新聞の記者がメインキャラの1人でずっと出てまして。
某TV局の報道担当の若手(こちらもメインキャラ)は彼の言動に「これだから朝〇は……!」とうんざりしつつ一緒に内閣の動向を追うんですが。
そのうんざりする相手でも、感動するところは自分と同じとか、いろいろ発見するんですよね。
小さなことだけど、その小さなことの積み重ねこそが大切なんじゃないかと思わせるんです。
北の工作員として日本に上陸した面々も、敵国のスパイ(自分達)をアイドルとしてもてはやす究極の平和国家日本に毒気抜かれて呆然ですし。
これに触発されてアメリカでは元タリバン兵士がデビューするなんてトンデモ話になるし。
いやそれ、本当に平和国家ね!
現実が、ニュースで報道される内容が救いがないから、より惹かれます。この小説の中の超平和的解決策と、毅然とした態度で他国に臨む内閣の姿と、政治家は誰にでも好かれようなんて思っちゃいけない、嫌われてもやらなきゃいけない事はある、それを恐れていたら動けないというメッセージ。
まあ確かに、核ミサイルが飛んでくるから避難しろって時に、「いつもどおりお風呂に入れないなんて個人の権利の侵害!」と抜かす輩の相手など、いちいちやってられないわな☆ うん(゚д゚;)
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