本日は一昨日買った文庫本『エロイカより愛をこめて』の創りかた、について触れます。著者は当然ながらエロイカの作者の青池保子さん。
しかし……この本読むまで私は作者である彼女が漫画家デビューしたのが昭和38年だという事を知りませんでした。弟にそれ言ったら(弟も戦車や銃、メカ等の観点からエロイカのファンなので。いや、正確にはエーベルバッハ少佐のファンと言うべきでしょうか。いや仔熊のミーシャも好きだよな、あいつ)「ええっ、僕ほぎゃあほぎゃあじゃないか」(注・生まれたての赤ん坊を意味すると思われる……☆)と仰天して叫びました。うん、すごいよねぇ。
でもって去年で還暦を迎えたんだ……それでも現役のプロとして、少女漫画家として第一線で働いてるんだ。すごいよなぁ。
友人の1人が「青池さんの漫画読むのは、他の少女漫画読むよりずっと時間がかかる」と言ってましたが、それは当然だと思います。1頁あたりの仕上がりの密度が違う。1コマ1コマが、「これ、何時間かけて描いたんだ?」と言いたくなるくらいに細かく、びっしりと描いてある。でもってそれが邪魔じゃない。むしろ映画の画面みたいな感じで、漫画を読みながらその国に、その場にいる気分になれる。
でも本人は還暦を過ぎたという事で、「プロとして自信を持って作品を送り出せる時間が残り2桁から1桁に減った」と書いていました……。うん、これだけ描き込んでいればそうだよね。資料の下調べだってハンパじゃないだろうし、目も悪くなってるし……。
あ、弟から昨夜帰宅後に質問受けました。「エロイカより愛をこめてって、いつから始まったっけ? もう25年以上は続いてるよね」と。
文庫に載ってた年譜を見ました。シリーズが開始されたのは1976年の冬とありました。……うっひゃーっ☆ 聞いた弟も呆然としてました。本気ですごいとしか言えません。
青池さん、どうか視力と気力と体力が続く限り、描き続けて下さいませ。そして『アルカサル』を描き上げてくれて、完結させてくれてありがとうございました。文庫に載っていた完結までの裏話が……。
そうか、商業誌だもんな。出版社側はエロイカが売れるってわかっているから、売上の点、人気の点で劣る歴史物を描かせたくなかったんだ。うん、そーか。
ドン・ペドロを成仏させたい一心で、「トシだし、後がない」という思いで編集長にかけあって完結編を前後編で描かせてもらったのですか……。ううう、良かった。描いていいと許可がおりて。読者が置き去りにされたまま未完で終わらなくて良かったーっ!
心から感謝します。数少ない(であろう)歴史物のファンとして。
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