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久遠の日々徒然

同人とか小説とか映画とか日常とか(^-^)2007.9.15設置♪

現実逃避で
 本読んでました。『ひとりでは生きられないのも芸のうち』というタイトルの本。『下流志向』の執筆者が書いた本です。
《さすが天才的な思想家の作り出した思考装置。21世紀になったら、世界中の人が「マルクス主義」になってしまった》という表現に苦笑しました。ああ、なんて痛烈な皮肉を。
 現在の社会秩序の転覆という使命感に捕われている彼等は、現社会の不具合に対する「当事者意識」が欠如しているんだそうな。
 そしてこのままだと100万人規模の日本人が、金も無く職も無く家族も無く、誰からも信頼されず誰からも配慮されない孤独な老人として死ぬ可能性がある、とこの筆者は書いている。
 そう、彼がこれを執筆していた2006~2007年の段階では、まだフリーターもニートも、老人になるまでは生きられるだろう、という甘い見通しが成り立っていたのである!
 ああ、なんてある意味恵まれた社会だったんだろう、と皮肉の一つも言いたくなるような。本当に、ほんの少し前の話でしかないのにねえ。
 孤独な老人になる前に、孤独な若者のまま死ぬ可能性が高まってますよ、マジで。
 まあでも、それはそれとしてなかなか面白く読めました。そうか、労働は日本国民としての権利で義務なのね。憲法に記されているのね。
 だから「自分にあった仕事」なんて求めずにとにかくまずは働いて、国民としての義務を果たせ、と筆者は言いたかったようだけど、いまや時代は「働く権利を奪わないでください!」って方向に流れてるからなあ。でも、1年ちょい前まではこういう社会だったんだよ、って事で読めば楽しめると思います。 
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