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久遠の日々徒然

同人とか小説とか映画とか日常とか(^-^)2007.9.15設置♪

『陰陽屋へようこそ』買いました☆
 書店の平台に置いてあった本。
 ふと表紙が目に止まって手に取って、裏表紙のあらすじチラ見して適当に開いたページを数行読んで。
 全く知らない作家。知らないレーベル。
 でも。
 まっすぐレジに向かっていました。なんとなく、これはハズレじゃないという予感めいたものがあって。
 帰宅して読んだら実に大当たりな小説で。ええもう私的にツボです。途中で抱腹絶倒ーっ!!
「御祓いしてください! 今すぐ!」ってな展開があって。
「今ここで? 神棚は?」となって。
「神棚も仏壇もないです」と答えられて。
 それでも気を取り直し、清めの塩とお神酒の日本酒を求めたら「日本酒の買い置きはないです」「お土産でもらったカリフォルニアワインならあります」と来て。
 もうこの辺で主人公の1人である陰陽師、御祓いやめて帰りたくなるところでしょうに、それでも精一杯踏ん張って「白ワインですか?」と尋ねればすかさず「赤ワインです!」という答えが。
「赤……」
 そりゃ、眼が遠くを見つめても仕方ないわ。
 赤ワインと蝋燭の灯りじゃ気分はもう黒ミサーっ!!☆
 も、この辺で息が苦しくなるほど笑わせていただきました。
 更にこの元伝説のホストという過去を持つ陰陽師の母親が凄まじくて。
 20代後半の息子がいる以上、それなりの年齢なはずなのに、見た目はせいぜい30半ば。そして精神年齢は幼稚園児並み……と言ったら幼稚園児に失礼か、ってなくらいのとんでもなさで。
 過去の悪行の数々が、他人事だから笑えるけどでもひどすぎる。息子が家出して行方くらましても当然だってくらいに。
 つーか。
 普通の母親は小学生の息子の愛犬を呪って藁人形を桜の木に打ち付けたりしませんし、中学生の息子が病気の愛犬を看病する為別荘に行くのを断ったからって、病気で弱っている犬を夜中に勝手に連れ出して捨てたりしません。
「自分にかまってくれないから」なんて理由でそんなことされたら、息子はたまったもんじゃないでしょう。
 高校生になってGFを初めて家につれてくれば、その彼女にゴキ○リを仕込んだチョコレートケーキを出して2度と来ないようにするし、半年かかって大学の修論書いていればそのパソコンに1リットルもジュースをかけて、論文も資料もメールアドレスも駄目にする……。それを「ママ寂しかった」の一言で済ませて反省の色なしとくれば……。
 耐えられないでしょう、普通は。
 ここで父親がなんとかすれば良かったのに、婿養子だからと口出しせず。しかも理由が、離婚されたらこの家の書庫に出入りできなくなる、なんて事で……。
 実の息子の身の安全より本を取る、超学者馬鹿の父と幼児のような偏愛の母では、家に寄り付かなくなるよなぁと気の毒に(と言いつつ笑って読んでいたけど)なりました。
 ポプラ文庫の『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』天野頌子著、お奨めします♪
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